愚考

活字の威力

 

以前,ある大学の先生が,「本を書いた本人が間違っていると言っているのに,学生が,"この本に書かれているので間違いない"と言って譲らないのだ」と笑って話されていたことがあるが,活字になると絶対的に正しいという印象を読者に与えるようである。

 

 

 

 

 

 

土木工学は経験工学と言われている。機械工学や電気工学にように数学や自然科学では解決できない

 

を基礎においているが,を機械工学や電気工学などに比べて数学と自然科学を基礎とし、ときには人文社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする学問である。

 

 

 

 

 

 

土木工学は現場の経験に

 

 

NPO法人四国の道路サポータクラブの会報「あの道このみち」(H24.1.15)に,後藤守氏が,現在習っている陶芸教室のことを紹介した記事が載っていた。

『陶芸の先生が実技をしながら「漆をこの位,色粉をこの位,テレピン油をこの程度,練り台の上に出して練り棒で良く混合しなさい」と教えられたので,私は先生の配合を見て,容積比で漆を1.0,色粉を1.0,テレピン油を0.3とノートにメモしていたところ,それを見た先生が「そんなことを教えていない,消しなさい」と言われた。・・・・私は技術というものは再現可能でなければならなく,後輩に教えられる根拠がなくてはならないと思っている。しかし,先生は「技術は盗め,失敗を重ねて身につくものだ,同じことを何回繰り返すかが上達の道」と教えている』
「後藤氏は国土交通省のOBの方で,私は○年に土佐国道工事事務所の所長をされていたときにお世話になったので良く覚えているが,この記事を読んで