土圧について考える

 土圧に関する研究の第一人者である福岡正巳博士が,近代図書から出版されている著書「土圧の謎をやさしく解くPart3」で,「一つの謎が解けたと思った途端にまた新しい謎が浮かび上がってくる。このような状況が続けば果たして,土圧の謎が全部完全に解ける日が来るのであろうか。」と書かれている。

 福岡先生の足下にも及ばない私に「土圧が分からない」のは当然かも知れないが,土圧の何に疑問を持っているのか,どのように考えているのかここに紹介したいと考えている。

 意欲のある若い技術者が,土圧の謎解きにチャレンジされることを期待している。

 

1.設計に用いる土圧

 擁壁や橋台などの設計に主働土圧を用いているのはなぜか。壁面に作用する土圧が主働土圧になるには,擁壁が前方へ移動しなければならない。擁壁が動かなければ主働土圧よりも大きい静止土圧が作用する。それにも関わらず主働土圧を作用させて計算する理由は何か。

 ボックスカルバートには静止土圧が用いられているが,u型水路には主働土圧が用いられている。どうしてか。

2.地震時土圧

 地震時に擁壁にはどのように土圧が作用するのか。物部・岡部式で求められるような土圧が本当に作用するのか。擁壁だけが前方へ転倒して背後の地盤は安定したままのところも見られる。

3.土圧の計算に粘着力は考慮できないのか。